フランス語のススメ

フランス語を学ぶ意義とは?

フランス語を学ぶ意義とは?

これから経済学部に入学するみなさんのなかには、第二外国語の選択に頭を悩ませている人もいることでしょう。すでにフランス語を履修している塾生も、フランス語を学ぶことの意味を見失っているかもしれません。いずれにせよ「なんとなく」、「卒業単位のため」という理由ではあまりにも無目的な受講になってしまいます。
そこで、われわれ経済学部フランス語部会のスタッフが、フランス語を学ぶことの意義について考えてみました。第二外国語を選択する際に、また、日々の授業にとり組むうえでの奮起材料になればと思います。
さらに経済学部を卒業後、仕事で実際にフランス語を使っている先輩方がインタヴューに答えてくれました。語学は決して大学でのお勉強では終わらないのです!

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さまざまな言語に触れる

大嶋えり子

いろんな言語を勉強してみるとよいと思っています。なぜならば、相性のよい言語と、そうでもない言語があると考えているからです。個人的には、フランスの現地校で中学から高校まで習っていたドイツ語は大変に残念なことに単語が覚えにくく、英語の方が単語を覚えるのが楽、という経験をしました。ドイツ語も英語も大好きなのに、そして共通のルーツを持っている言語なのに。おそらくみなさんにもより習得しやすい、相性のよい言語があることでしょう。そんな相性のよい言語と出会うためにも、さまざまな言語に触れてほしいと思っています。その一つの選択肢として、フランス語はいかがでしょうか。

グローバルな舞台で役立つフランス語

ソッティーレ, マルコ

フランス語は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア及び北アメリカの国々が形成したフランコフォニー国際機関の他に、国連や国際オリンピック委員会等の様々な国際機関において重要な役割を果たしています。世界各地で話されているフランス語は、政治・経済の分野において将来必ず役に立ちます。フランス人の民俗学者ジェルメーヌ・ティヨンが、「日常の経験から、誰しも、人は泡の中で生まれ、成長していくことを学んでいく。それは小さな球形の宇宙であり、胚芽であるが、私たちはみなその殻を破ることは決してなかった。対話によって、私たちは超越と拡大を企てるが、それぞれの文化、言語、祖国、宗教に代表される、閉ざされた美しい庭を超えない限り、拡大も超越も、他の宇宙の壁を越えることはできない」と述べているように、将来グローバルな舞台で活躍するチャンスをもつみなさんに、①フランス語を学ぶことで自分の「美しい庭」を飛び出し、他の文化と対話をすること、②フランス語の授業を受けるだけではなく、学生交換留学プログラム等へ参加し、生きたフランス語に触れることを強くおすすめします。


フランス語のその先には

中川真知子

はじめてフランスに留学したとき、当然カルチャーショックを覚悟していましたが、それ以上に日本の大学と似ているところをたくさん見つけました。後ろから席がうまる教室、たまには地べたに座ったり、試験やレポートに奔走する……。どんな言語もそうであるように、未知の言葉の先には、その言葉を使う人がいて生活があります。フランス語の場合は、どんな人たちに出会えるのでしょう。一緒に発見してみませんか。

英語を相対化するために

新島進

もちろんフランス語自体、学ぶ意義はたいへん大きい言語です。それでもみなさんは「だけど、やっぱり英語が大事だよ」と言うかもしれません。だったら、こんな効果もあります。それはフランス語を勉強すると英語の理解が深まるということです。英語/日本語という一対一の関係から、フランス語が入ることで、英語をひとつの外国語として相対的に眺めることができるようになります。これまで見慣れた英文法、英単語が異質なものに、そして新鮮に映るはずです。ただしフランス語の授業では単語を英語読みしないように!


フランス語を口ずさもう

福田桃子

外国語の勉強は何歳からでも始めることができますが、大学の授業は仲間たちと程よい緊張感の中で学ぶことのできるまたとない機会です。一年生で基礎を身につければ、その先は興味や目的に合わせて力を伸ばしていけるのも外国語学習の楽しいところです。フランス語の発音は英語よりもずっと規則的で、いくつかのポイントをおさえれば必ず通じます。日本で紹介される「洋楽」の大半は英語ですが、現代のフランス語圏にもたくさんの素晴らしいミュージシャンがいます。毎週すてきな歌を紹介するので、教室の外でも聴いたり歌ったりしつつ、楽しくフランス語を身につけましょう。

フランス語を通して拡がる世界

前島和也

かつての隆盛とは比較にならない地位に甘んじているように見えるフランス語ですが世界の各地で通用する数少ない言語の一つです。文法も発音も世間で思われているほど複雑ではなく、規則性が高いだけ習得は楽でしょう。フランス語に何らかの魅力や有用性を感じているみなさんは、通念に捉われる事なく、この言語を通して拡がる世界に軽やかに到達すべく勉強して戴きたいと思います。


いいですよ、フランス語は・・・・・・

山本武男

私は、文学、芸術が好きで、そうしてフランスという国が、文学、芸術を大切にしている国なので、だからフランス語と自分は切っても切れない関係にあるのだと考えている。皆さんも、私同様、文学、芸術が好きな方もおられようし、モード、料理、お菓子、ワイン、映画、シャンソン、バレエ、建築、歴史、外交、旅行、カフェ、その他、数限りない関心がお有りだと思うが、どうあれフランス語をやっておけば、上記のジャンルに触れる時、より本質に迫り易いこと請け合いである。だから、フランス語を選択されたし。

卒業生特別インタヴュー

倉田保雄先生からのススメ

倉田保雄先生からのススメ

当塾経済学部を卒業後、ジャーナリストとして活躍されている倉田保雄先生の特別インタヴューをお送りします。倉田先生は国際問題がご専門で、ジャーナリストのかたわら慶應義塾でフランス語の講師をされた経験もあります。聞き手を務めた新島と山本もそのときの教え子です。今回のインタヴューでは戦時中の慶應義塾の様子から、ロンドン、パリでの生活の様子、そしてフランス語を学ぶ今日的な意義についてたいへん興味深い話を伺うことができました。インタビューを読む

卒業生インタヴュー

98年経済学部卒、島森浩一郎くんからのススメ

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経済学部を卒業後、日本とフランスの芸術家たちとの架け橋になる仕事をされ、現在はある会社で世界遺産検定の企画に携わっておられる島森浩一郎くん(98年卒)の考える「フランス語のススメ」は?インタビューを読む

03年経済学部卒、濱野正樹くんからのススメ

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インタヴュー第二回目は、経済学部を卒業後、現在はフランスのレンヌ第一大学で経済学の研究を続けている濱野正樹くん(03年卒)にお願いしました。経済学とフランスとの関わりでたいへん興味深いお話を聞くことができました。インタビューを読む